セピア色の輝き子供たちへ 松本多恵子さん(47)
大きな目をさらに見開き、相手の特徴をつかむと一気に描ききる。似顔絵なら10分、緻密な作品なら2日ほど。素材は身近なしょうゆだ。水で薄めて濃淡を調節して筆を走らせ、ドライヤーのようなクラフト工具で熱すると、セピア色に輝いた作品が浮かび上がる。
「思いもよらない作品に仕上がると言われます。表面が凸凹なのもおもしろい。おまけに食品だから安全なんです」
10年前、子供を連れて訪れた小児病棟で、重い病気と闘う親子が養護学校の先生と手芸糸で小物を作ってい…